健全な保護団体を見極める5つの視点:寄付依存の活動が抱える問題

冒険の心得

猫おばさんのモヤモヤシリーズになりつつありますが、今日は保護団体のお話。

動物の命を救うという熱意は重要ですが、保護活動の継続には感情だけでなく理性的な運営が不可欠です。譲渡活動している保護団体が「寄付に過度に依存し、自走できない運営体制」である場合、その不健全な構造は、活動そのものの信頼性を低下させ、継続性も怪しいと思ってしまいます。

私自身、我が家の長男もちを譲渡施設から迎え入れた際、その団体の活動の仕方や運営体制に深く共感できたからこそ、安心して家族に迎えることができました。保護団体の運営体制が抱える構造的な問題点と、これから猫ちゃんをお迎えしようとする方のため、避けるべき団体を見極めるための客観的なポイントをまとめようと思います。

寄付依存が引き起こす「活動の不安定化」と倫理の歪み

健全な団体にとって寄付は「活動を支える応援」であり、活動の主軸は自立した運営にあります。しかし、運営を寄付に全面的に依存し「自走できない」状態にある団体は、その不安定さゆえに、以下のような深刻な構造的問題とリスクを抱えています。

財政の破綻リスクと持続可能性の欠如

不安定な財源: 寄付は景気や社会的な話題性に左右される極めて不安定な財源です。これが主たる財源である場合、活動の継続そのものが不安定になり、資金が滞れば、真っ先に医療費や良質なフード代が削減されます。これは、動物のQOL(生活の質)が外部の経済状況に完全に左右されている状態であり、持続可能性が致命的に欠如しています。

運営責任の曖昧化: 常に人々の善意に頼る構造は、活動家自身の金銭的な責任感を麻痺させる可能性があります。その結果、収容能力を冷静に見積もることができず、過密飼育が常態化しがちです。頭数が増えるほど管理が雑になり、団体内部で猫の免疫力低下や感染症の蔓延を招きかねません。

活動の自己目的化と情報の不誠実

「救う行為」への執着: 寄付に依存する団体は、自己肯定感や活動継続のために、猫様の世話の質よりも「悲惨な現状を訴える広報活動」にエネルギーを割かざるを得ません。その結果、活動が自己目的化し、本来の目標である「猫様の幸福な譲渡」よりも、自分の手元に置き続けることが優先されがちになります。

医療情報の隠蔽誘因: 資金難は、本来必要な治療の先送りや、譲渡時に猫様の健康リスクを正確に開示しないという不誠実な行動につながる強い誘因を生みます。これは、譲渡される猫ちゃんの経歴の信頼性を損なう最も大きな要因の一つです。

不健全な団体を見極める5つのチェックポイント

安定した運営ができていない団体は、倫理的にも問題があるケースが多く、譲渡の際に不正確な情報を提供するリスクが高まります。以下の客観的な基準で団体を評価し、避けるべき団体を見極めましょう。

感謝と報告の欠如(寄付を当然視する姿勢)

一方通行のコミュニケーション: 寄付をしてくれた個人や企業に対し、SNSやブログなどで感謝の意を表明したり、寄付金の使途を具体的に報告したりしない団体は、寄付を「受け取るのが当然の権利」と見なしている可能性が高いです。

倫理観の欠如: 困った時だけ支援を求め、それ以外の通常時の活動報告や、集まった善意に対する感謝の言葉がない団体は、活動の倫理観やマネジメント文化に欠けていると判断できます。健全な団体は、支援者への感謝を通じて、活動の透明性を高めます。

医療履歴と譲渡実績の不透明性

団体の信頼性と誠実さは、情報開示の徹底度に最も表れます。

書面による証明の欠如: ワクチン、不妊去勢手術、FIV・FeLV検査の結果など、獣医師による正式な証明書の提示を避け、口頭の説明だけで済ませようとする団体は避けるべきです。書面による証明は、猫の経歴の確実性を担保する最低限の要件です。

実績の欠如: 寄付の募集は熱心だが、新規保護(IN)と里親決定(OUT)の正確な頭数や実績を公開していない団体。これは、猫様を適切に「卒業」させる出口戦略がないことの表れです。

 譲渡ルールの客観性と外部連携の欠如

譲渡ルールが猫の福祉ではなく、団体の都合に基づいているか、組織が孤立していないかを確認します。

不合理な選定基準: 合理的根拠に欠ける選定基準や、団体の独善的な理想を押し付けようとする団体は避けるべきです。譲渡後のプライバシー侵害に繋がる過度な干渉がないかも重要です。

独善的な運営: 地域の獣医師や他の団体、行政との連携が少なく、外部からの客観的な意見やアドバイスを拒否する傾向がある団体。これは、活動が自己満足に陥っている強いサインであり、トラブル発生時に外部の助言を求めることができず、問題解決能力が低いと言えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。あくまでも猫おばさん視点の内容ですが、保護や譲渡の活動の継続性は、いかに事業としてその活動を成り立たせるかにかかっていると思います。実際猫様を保護して、譲渡するまでにはたくさんの人の力やお金が掛かります。それを運営できるだけの収入の柱がないと継続しないと思うんです。その収入の柱を寄付に完全に依存している場合は、活動の継続というよりも、他人のお金で個人の熱意を維持している状態に陥っていると見られても仕方ありません。尊い活動を持続させることをしっかりと考え、お世話している人もされている猫様もハッピーな関係になれる、そんな団体を応援したいし、そういう所から猫ちゃんをお迎えして欲しい。そういう猫おばさんの個人的な視点でまとめてみました。ご参考になれば幸いです。

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