誰もが一度は目にしたことが「フミフミ」。あなたの膝の上やベッドの上で、猫様が前足を交互に動かし、まるでパンをこねるかのようにフミフミする姿を。この愛らしい行動には、猫様たちの秘められた感情が隠されていることをご存知でしょうか?
今回は、猫様が「フミフミ」する理由を徹底的に解明し、それが私たちに何を伝えようとしているのかを紐解いていきます。
フミフミのルーツは子猫時代にあり
「フミフミ」行動は、学術的には「ニードリング」と呼ばれています。その起源は、子猫だった頃に遡ります。
子猫が母猫のおっぱいを飲むとき、前足で母猫のお腹を交互に押す仕草をします。これは、母猫の乳腺を刺激し、ミルクの出を良くするための本能的な行動です。この時、子猫は温かい母猫に包まれ、お腹を満たし、最高の安心感と幸福感を味わいます。
フミフミは、この「ミルクを飲む→お腹がいっぱいになる→安心する」という、子猫にとって至福の記憶と深く結びついています。したがって、大人になった猫様がフミフミをするときは、子猫時代に感じた、あの究極の安心感や幸福感を呼び起こしているのです。
特に、保護猫様や、幼い頃に母猫から離れてしまった猫様がフミフミを続ける傾向があると言われます。これは、彼らが母猫との温かい絆を求めている、あるいは、その記憶を大切にしている証拠かもしれません。
我が家は普通に立っている時も、床をフミフミ。指というか手を開いたり閉じたりしながら床をフミフミしてくれたりもします。くもがよくやりますね。
フミフミは最高の愛のサイン
フミフミは、単なる本能的な行動の残りではありません。それは、飼い主であるあなたに贈る、特別な愛のメッセージなのです。
まず、猫様がフミフミをするのは、心からリラックスし、安心している時だけです。警戒心やストレスを感じている状態では、フミフミのような無防備な行動はとりません。あなたが猫様にとって、敵に襲われる心配のない、完全に安全な場所だと認識しているからこそ、フミフミをしてくれるのです。これは、あなたを心から信頼している、何よりの証拠と言えるでしょう。
また、フミフミは、猫様があなたのことを「まるで自分の母親のように慕っている」という深い感情の表れでもあります。猫様は、人間を自分より大きな「母猫」として認識することがあります。あなたの膝の上でフミフミするのは、「あなたが僕の安全で温かい場所だよ」と、全身で愛を伝えているのです。
フミフミをしながら、目を細め、喉を「ゴロゴロ」と鳴らします。これらの行動は、猫様自身が至福の気持ちで満たされていることを示しています。あなたが猫様にとって、かけがえのない、特別な存在である証なのですよ。
フミフミに隠された多様なメッセージ
フミフミ行動は、様々なシチュエーションで見られますが、それぞれに異なる意味が隠されていることがあります。
柔らかい場所でフミフミ:
布団や毛布、クッションの上でフミフミするのは、母猫のお腹の柔らかさを思い出しているからと考えられています。これらの場所は、猫様にとって最高のくつろぎの場所であり、安心感を与えてくれるのです。
特定の物に対してフミフミ:
特定の毛布やぬいぐるみ、時には別の猫様に対してフミフミすることがあります。これは、その物や猫様が、フミフミする猫様にとって安心感や心地よさを与える「特別な存在」になっている証拠です。
くもがもちの上に乗ってフミフミするのは、こういうことなのかな?自分が大きくなったことを忘れて、子猫の頃みたいに上に乗っかってフミフミしてもちに怒られてます(笑)
「発情期」のフミフミ:
オス猫が発情期に、メス猫に対してフミフミに似た行動をすることがあります。これは、交尾前の準備行動であり、愛情表現としてのフミフミとは目的が異なります。ただし、去勢手術をしたオス猫やメス猫がこの行動をすることは稀です。
まとめ
「フミフミ」する行動は、単なる癖や習慣ではなく、子猫時代の幸せな記憶と結びついた、猫様からの深い信頼、愛情、そして感謝の気持ちが込められた特別なメッセージでしたね。猫様がフミフミをしてくれたら、それはあなたが猫様にとってかけがえのない存在だという証です。その尊い愛のメッセージを、どうか大切に受け取ってくださいね。
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