私の保護活動に対する考えを聞いてください!Threadsで見た投稿で、保護活動をしている施設に子猫を置いていったりする人が後を絶たないそうで、置いた人は良いことをした、助けた気でいるが、そのせいで施設の運営状況が逼迫していることが多いという内容。もちをお迎えした施設も、積極的に猫を保護するのではなく、人慣れさせてずっとのおうちを見つける役目をしていて、そこにも猫を置いていく人がいると聞いたことがあります。
保護猫活動は、命を救う崇高な活動ですが、その現場は常に限界ギリギリの状態で運営されています。この活動を持続不可能にしている根深い問題、すなわち構造的な危機と社会的な誤解について、今日はまとめたいと思います。
危機 :無責任な流入による「出口なき多頭飼育崩壊」
保護団体が多頭飼育崩壊(セカンド崩壊)に陥る最大の原因は、キャパシティを超えた猫の流入が止まらないことです。その裏には、「動物の命の責任を他者に丸投げする」という無責任な行動が横行しています。
1. 悪質な「善意の勘違い」が引き起こす最悪の事態
特に深刻なのは、保護活動をしていない一般の施設(例:猫カフェ、動物病院、個人経営のペット関連店)に、野良猫や迷い猫を無断で置いていく行為です。
資金力・キャパシティの完全無視:これらの施設は、猫を恒久的に保護したり、新しい里親を探すための法的・経済的な基盤も、適切な収容スペースも持っていません。
「無視できない」という人情につけ込む: 施設前に猫を放置された場合、その施設側は「命を捨てるわけにはいかない」という人情から、本来引き受けるべきではない猫を引き受けてしまうケースがあります。
余分な支出が与える運営への影響:本業とは別に、置いていかれた猫の高額な医療費や日々の管理費用が、そのまま施設の運営費を圧迫し、結果としてその施設が多頭飼育崩壊や倒産に追い込まれる原因の一つとなります。
この行為は「良いことをした」のではなく、特定施設に他者の経済的・倫理的責任を押し付け、その運営を停止させる「悪質な遺棄」に他なりません。Threadsでの投稿で、それを良いことをしたと考える人がいるということに驚かされました。視野が狭い人、相手の立場になって考えることができない人が多いんですね。。。
2. 猫が持ち込まれることによる施設へのダメージ
初期医療費の押し付けとスペース確保の必要性
外部から来た猫は、致死性の高い感染症(FIVやFeLVなど)キャリアの可能性があります。ウイルス検査や隔離期間や場所の確保が必須となります。
持ち込まれた猫の初期医療(検査、ワクチン、不妊去勢手術)費用は高額であり、また隔離スペースを既存の猫たちの生活スペースから作り出す必要があります。ギリギリで運営されている施設では、これも大きなダメージとなります。
保護したい命と出会ったときに取るべき責任ある行動
命の責任を他者に丸投げせず、本当にその命を救いたいと願う人が取るべき行動は、以下の通りです。
1. 命の責任を公的に担保する
行政機関(動物愛護センター・保健所)への連絡と相談: 猫の保護は、本来行政の責任のもとで行われるべきです。まずは行政に連絡し、公的な責任の下で対応を求めるのが、最も責任ある行動です。
拾得物としての届出: 迷い猫の場合は、警察に拾得物として届け出ることが、元の飼い主を見つけるための法的義務であり、最初のステップとなります。
2. 適切な保護団体を探し、初期支援をして託す
保護活動を専門とし、譲渡実績があり、財務が公開されている信頼できる団体を探して相談し、以下の「初期投資」を行うことも責任ある行動です。
初期医療費の自己負担: 団体に引き取りを要請する前に、ウイルス検査、ノミ・ダニ駆除、基本的な健康診断などの初期医療を、自己費用で済ませることが、団体への最大の支援となります。これにより、団体の高額な初期支出を防ぎ、他の保護猫への感染症リスクを最小限に抑えられます。
一時的な隔離と飼育(預かり): 数週間から数ヶ月間、自宅で隔離し、一時的な飼育(預かり)を請け負うことも、団体側のスペース確保の負担を軽減する大きな助けになります。
3.自らが「預かりボランティア」として繋ぎ役となる
猫を譲渡可能な状態にするための「人慣れ」や「初期飼育」を、団体に代わって引き受ける預かりボランティアとして協力することも、命を救う重要な役割です。団体の負担を減らし、猫がずっとのおうちに繋がるまでの道のりを直接サポートできます。
まとめ
無責任な遺棄は、「良いことをした」という自己満足の裏で、保護活動の現場を資金的・倫理的に追い詰める悪質な行為です。
まずはこの事実を知ることが必要ではと思い、まとめてみました。猫の命を救うためには初期医療費や手間というコストがかかるという現実を、広く社会全体が理解する必要があります。次にまとめようと思ってますが、私はこういった命を救うための活動は、行政との連携が不可欠、いや、現状、現実的には民間では難しいのではと思っています。まずは、ギリギリで活動されている団体の方が、苦しまないよう、適切な行動をとれるように周知する、人々が知っていくことが必要なのではと思います。
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