猫様が心から喜ぶ部屋づくり:安全と快適を叶えるストレスフリーな環境づくり3

猫様との暮らし

大作になってしまった猫様の住環境づくりについて、今回が最終回です。振り返りはこちらからどうぞ。ストレスフリーな環境づくり1/ストレスフリーな環境づくり2

伝えたいことが多くて、ついつい長くなってしまってます💦長年人間の家やインテリアに携わる仕事をしておりますので(一応建築士です(笑))、話が長くなってしまってます。これまでお話してきた内容はあくまでも基本的な考えで、猫様も人も個性があり、必ずしも、100%お伝えしていることがそれぞれの猫様や環境にフィットするかといえばそうではないのですが、基本的な考えを出発地点とし、ぜひ皆様の猫様の喜ぶ環境を探っていっていただければと思います。

4. 猫様の健康を第一に考えた環境整備

さらに一歩踏み込んで、猫様の健康を守るための環境づくりを考えましょう。

4-1. 温度と湿度への配慮

猫様は暑さにも寒さにも弱い動物です。特に子猫や高齢猫は、体温調節が苦手なため、エアコンなどを活用して室温を常に適正(20~28℃が目安)に保つ必要があります。また、空気が乾燥しすぎると皮膚病や呼吸器系の病気にかかるリスクが高まります。加湿器などを利用して、適切な湿度(50~60%)を保つように心がけましょう。

夏: 26℃〜28℃。高温多湿に弱いため、熱中症に注意が必要です。

冬: 20℃〜24℃。寒さに弱いため、体が冷えないようにしましょう。

湿度: 40%〜60%が理想です。

適正温度とはいえ、エアコンが苦手な子もいます。ですので、猫様自身が好きな場所を選べるように、暖かい場所と涼しい場所(例えばエアコンが効いている部屋とエアコンが入っていない廊下だとか)を行き来できるようにしてあげると良いでしょう。また、毛の長さや体格などによっても適正温度は変わるため、猫様の様子をよく観察して調整することが大切です。

4-2. においへの配慮:アロマオイルの危険性

猫の嗅覚は人間の何十倍も鋭いため、人間が快適だと感じるにおいでも、猫にとっては大きなストレスや、ときには命の危険につながることがあります。

一般的なにおいのストレス
特に注意すべきは、日々の生活で使われる洗剤や柔軟剤、芳香剤、消臭スプレー、タバコ、香水などです。これらに含まれる化学物質のにおいは、猫の嗅覚を刺激し、不快感や精神的なストレスを引き起こすことがあります。猫様がいるお部屋では、無香料の製品を選ぶなど、においの配慮が欠かせません。

特に危険なアロマオイル
一般的なにおいの中でも、特にアロマオイルは、猫にとって非常に危険な存在です。

アロマオイルの主成分は、猫が体内で分解できない化合物であることが多いためです。人間は、肝臓で「グルクロン酸抱合」という解毒作用によってこれらの成分を無毒化できますが、猫はこの機能が非常に弱いため、成分が体内に蓄積されて中毒症状を引き起こす可能性があります。

特に以下の成分やアロマオイルは、猫にとって危険性が高いとされています。

フェノール類: ティーツリー、タイム、クローブ、シナモンなど。猫が中毒を起こすと、肝臓や腎臓に重いダメージを与え、最悪の場合、命にかかわることがあります。
ケトン類: ペパーミント、ローズマリー、ユーカリなど。猫が中毒を起こすと、痙攣や神経系の障害を引き起こす可能性があります。
モノテルペン炭化水素類: レモン、オレンジ、グレープフルーツなどの柑橘系の精油に含まれる「リモネン」も危険です。
サリチル酸メチル: シダーウッド、ウィンターグリーンなどに含まれ、猫にとって非常に危険な成分です。

アロマオイルを焚くだけでなく、猫の体やベッドに直接つけることも、皮膚から成分が吸収され、猫が毛づくろいの際に舐めてしまうため、絶対に避けるべきです。猫がいる環境では、アロマオイルの使用は控えるのが賢明です。

4-3. 誤飲・誤食の防止

好奇心旺盛な猫は、思わぬものを口にしてしまうことがあります。電気コード、観葉植物、小さな日用品、輪ゴム、アクセサリーなど、猫が誤って口にしてしまうと危険なものは、猫の手の届かない場所に片付けるか、カバーをつけるなどの工夫が必要です。猫様にとって危険な植物等については、こちらにまとめてますので、確認してみてくださいね。

4-4. ダッシュできる空間の確保

これは、我が家の猫様たちを見ていて思いついた項目です。猫様の運動不足を解消するためには、走ることができる空間が必要です。特に、室内飼いの猫は、限られたスペースで活動するため、意識的に運動できる環境を作ってあげることが重要です。

廊下の活用:廊下は猫様が直線的にダッシュできる貴重なスペース。しっかりと猫様の動線を確保しましょう。特にボールが好きな子は、廊下を利用して遊ぶと良いですよ。我が家のくも氏はボールがあろうが無かろうが、廊下を猛ダッシュするのが好きです。

家具の配置:猫様がスムーズに走り抜けられるようなルートを意識して家具と壁の間にちょっとした隙間を確保することも効果的です。ギリギリ通れるような小道(猫様目線で言うと)を走り抜けたり、そこに隠れたりするのはワクワクするみたいですよ。

まとめ

猫様が快適に過ごせる部屋づくりは、単に猫グッズを揃えることではありません。3回に分けてお伝えしたような工夫は、猫様が安心して、心身ともに健康な毎日を送るために是非試してみてほしい内容です。先にお伝えしたとおり、あくまでもベーシックな考え方ですので、猫様それぞれの個性や好みをしっかり見極めて、心からリラックスできる最高の空間を提供してくださいね。

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