「また少しだけ残してる」
もちらしい愛すべき癖。器にちょっとだけ残ったご飯を見ると、「どうしてだろう?」と思ってしまいます。くも氏は器がピカピカになるまで舐めてくれるのにな。なぜ猫様はご飯を完食せず、ほんの少しだけ残すのでしょうか?何か理由があるのでしょうか。
実は、この「ちょこっと残し」には、猫様の習性や心理、さらには健康状態にまつわるいくつかの理由が隠されています。今回は、この理由について深堀してみます。
猫の「ちょこっと残し」はなぜ起こる?その隠された理由
猫様がご飯を少しだけ残す行動にはいくつかの理由が考えられます。
習性と本能の名残り
猫様は元々、単独で狩りをして暮らす動物です。野生の猫は、大きな獲物を捕らえたとしても、一度に全てを食べきることはほとんどありませんでした。残った部分は、後で食べるための「保存食」として隠しておくのが自然な習性だったのです。
また、いつでも食事にありつけるという安心感を得るための行動である可能性もあります。器に少しでもご飯が残っている状態は、「まだ食糧がある」という精神的な安定をもたらすと言われています。我が家のもちがご飯を少し残すのは、もちらしい安心感を得るための本能的な行動なのかもしれません。
食べすぎ防止の自己調節
猫様は、自分の満腹感を非常にうまく自己調節できる動物です。人間のように「もったいないから全部食べる」という概念はなく、お腹がいっぱいになれば、食べるのをぴたりとやめます。
器に残ったご飯は、「もうこれ以上は必要ない」という満腹のサイン。食べきる直前にやめるのは、単に「適量」を認識している証拠であり、猫の体にとって健全な行動であると捉えることができます。もちの場合、「もう結構です」という時は砂かけポーズをしてますね(笑)
器や環境への不満
実は、猫様がご飯を残す理由で最も多いのが、器や食事の環境に不満があるケースです。
ひげ疲れ: 猫様のひげは非常に敏感なセンサーです。ご飯を食べる際に、器の縁にひげが当たって不快に感じることを「ひげ疲れ」と呼びます。特に器が深かったり、狭かったりすると、奥のご飯を食べたがらず、手前のご飯だけを食べて残してしまうことがあります。
器の素材や匂い:プラスチック製の器は匂いが移りやすく、傷がつくと雑菌が繁殖しやすくなります。猫様は嗅覚が非常に鋭いため、不快な匂いを嫌い、ご飯を避けることがあります。陶器やステンレス製の器に替えることで、改善されることがあります。
食事場所: 猫様は警戒心が強く、食事中は無防備になるため、落ち着いて食事ができる静かな場所を好みます。もし、食事場所が騒がしい場所や、トイレの近く、人の出入りが多い場所にある場合、安心して食事をすることができず、途中で食べるのをやめてしまうことがあります。
もしかして病気?要注意な「ちょこっと残し」のサイン
「ちょこっと残し」は、多くの場合、習性や環境によるものですが、中には病気のサインである可能性も潜んでいます。以下のサインが見られる場合は、注意が必要です。
いつもより残す量が多い:普段は数粒しか残さないけど半分以上残すようになった等の変化の大きさに注目しましょう。
「ちょこっと」が数日続く: たまに少し残す程度なら問題ありませんが、食欲不振が数日続く場合は要注意です。
元気がない、嘔吐や下痢を伴う:ご飯を残すだけでなく、元気がない、隠れてばかりいる、嘔吐や下痢、体重減少などの症状が見られる場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
口内炎や歯周病、腎臓病、甲状腺機能亢進症など、様々な病気が食欲不振を引き起こす可能性があります。特に猫様は病気を隠すのが得意なため、飼い主が日頃から注意深く観察することが非常に重要です。
猫の「ちょこっと残し」の対処法
「ちょこっと残し」は、猫様の習性を理解し、環境を整えることで解決できることがほとんどです。
器と環境を見直してみる
器を替える: ひげが当たらないよう、口が広く浅い器に替えてみましょう。素材は匂いが移りにくい陶器やステンレス製がおすすめです。
食事場所を変える:落ち着いて食事ができるよう、人や他のペットの行き来が少ない、静かで安全な場所に食事場所を移動させてみましょう。
フードの工夫
新鮮なフードを与える:開封済みのドライフードは、時間が経つと風味が落ちたり、酸化したりします。密閉容器に保存し、フードの鮮度を保ちましょう。また、少量ずつ与えることで、毎回新鮮なフードを食べさせてあげることができます。
香りを引き出す:ぬるま湯でフードをふやかしたり、少し温めて香りを引き出すことで、食欲を刺激する効果があります。
無理に食べさせない
食事時間のルールを設ける:残したご飯を無理やり食べさせようとするのは、猫様にストレスを与え、ご飯嫌いにつながる可能性があります。一定時間(例:30分)経っても食べきらない場合は、一旦片付けるというルールを設けることで、「いつでも食べられるわけではない」と学習させることができます。
まとめ
猫様がご飯を少し残す行動は、多くの場合、猫の習性や賢い自己調節能力によるものです。それは、愛すべき個性でもあります。「ちょこっと残し」は悪ではないので、日ごろから様子を注意深く観察し、病気のサインではないことをチェックしてさえすれば矯正したりする必要はないのかなと思います。
我が家ではもちの「ちょこっと残し」(ウェットを食べる時だけするのですが)をくも氏にあげて、器をピカピカに舐めあげてもらうので特に問題視してませんが、これは注意深く観察した結果たどり着いた結論です。猫様それぞれの個性や習性を知ることで、それぞれに合った対処をしてあげてくださいね。
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