なぜ猫は水が嫌い?〜お風呂嫌いの本当の理由とは〜

猫様情報

「お風呂の時間だよ」と声をかけると、猫様が音もなく姿を消してしまう。
このような経験をされる飼い主さんも多いでしょう。我が家のくも氏は、最初は水好きな子だと思ってました。お水に手をちょいちょい、いや、結構ザブザブと手を突っ込んでいたので、泳げるかなって大きめのタライに水をためて遊ばせようとしたことがあります。結果は…チーン💦実は水が好きというわけではなかったのです(笑)

また、うちはシャワーすることはなく、シャワーシートなのでこのようなことはないのですが、なぜ猫様は水を嫌がるのか?というのは気になります。そして、どうしてもお風呂に入れなければならない時、猫様にストレスを与えず、安全に対処するにはどうすればいいのでしょうか?

今回は、猫様がお風呂を嫌がる本当の理由から、安全な入浴方法まで解説します。

なぜ猫様は水を嫌がるのか?その習性と体の秘密

猫様がお風呂を嫌がるのには、単なる好き嫌いではない、猫様の根本的な習性と体の特徴が関係しています。

1. 祖先から受け継いだ習性

猫様の祖先は、北アフリカや中東の乾燥地帯で暮らしていました。そこは水場が少なく、水に慣れる機会がほとんどありませんでした。また、獲物を狩るための素早い動きが命綱です。もし体が濡れてしまうと、毛が重くなり、動きが鈍って体温も奪われてしまいます。これは、野生の世界では生存に不利な致命的な弱点でした。そのため、猫様は本能的に水に近づかないように進化してきたのです。

2. 優れた嗅覚と感覚

猫様は、人間よりもはるかに優れた嗅覚を持っています。そのため、私たちには気にならない水道水に含まれる塩素の匂いや、シャンプーの人工的な匂いを、非常に不快に感じることがあります。また、猫様の毛は水を弾くようにできていますが、一度濡れてしまうと毛並みの感覚が変わり、皮膚にまとわりつく不快な重さを感じます。この未知の感覚が大きなストレスとなるのです。

3. 制御不能なことへの恐怖

猫様は、自分の身を自分で守るために、常に状況をコントロールできる状態を好みます。しかし、水の中では足元が滑り、思うように動くことができません。この「自分の体が思うように動かせない」という感覚は、猫様に大きな恐怖とパニックを引き起こします。本能的に自分の体が危険に晒されていると感じるため、水を嫌がるのは自然な反応なのです。

無理やりはNG!猫がお風呂を嫌がる理由

猫様が水を嫌がる本能的な理由に加えて、お風呂という行為そのものが、猫様にとっての恐怖体験となることがあります。

1. 予測できない恐怖

お風呂場という非日常的な空間に連れて行かれ、突然冷たい床に立たされ、聞いたことのない水の音を耳にします。これらはすべて、猫様にとって予測不能な出来事です。突然の出来事は猫様をパニックに陥らせ、お風呂場を「怖い場所」と認識させてしまいます。

2. 飼い主の緊張が伝わる

お風呂に抵抗がある猫様を洗うとき、飼い主さん自身も「暴れたらどうしよう」「早く終わらせなきゃ」と緊張してしまうものです。猫様は飼い主さんのわずかな感情の変化にも敏感に気づきます。飼い主さんの緊張や不安を感じ取ると、「何か嫌なことが起こる」と警戒し、さらに怖がってしまいます。

3. トラウマになる可能性

一度でも「嫌なこと」がお風呂場で起きてしまうと、それが強いトラウマとなり、その後のお風呂を極度に嫌がるようになってしまいます。例えば、熱すぎるお湯、冷たい水、大きな物音、そして何より無理やりな拘束は、一生消えない恐怖の記憶となる可能性があります。

猫に優しいお風呂の入れ方と、安全な対処法

どうしてもお風呂に入れなければならない場合でも、できるだけストレスを与えずに済む方法があります。

1. 事前の準備と環境づくり

お風呂場に慣れさせる:いきなりお湯を張るのではなく、まずは空のお風呂場に連れて行き、おやつを与えたり遊ばせたりして「安心できる場所」だと認識させましょう。
道具の準備:猫様が滑らないようにバスタブの底に滑り止めマットを敷きます。猫専用のシャンプーと、吸収性の良いタオルも事前に用意しておきます。
落ち着いた時間帯に:猫様がリラックスしている時間帯を選び、静かな環境で行いましょう。

2. 実際の入浴方法

ぬるま湯を使用:猫様の体温に近い35〜38度程度のぬるま湯を使います。
足元から徐々に:いきなりシャワーをかけるのではなく、足元からゆっくりと、優しくお湯をかけて徐々に体を濡らしていきます。
優しく声かけ:常に優しく話しかけ、「大丈夫だよ」と安心させてあげましょう。
洗うのは素早く:シャンプーは猫専用のものを選び、手早く優しく洗います。顔周りは濡らさないように注意し、濡れタオルで拭いてあげる程度に留めます。

3. ドライヤーの注意点

ドライヤーの音に慣れさせる:お風呂の前に、電源を入れずにドライヤーを見せたり、電源を入れて少し遠くから音に慣れさせておきましょう。
タオルドライを念入りに:体全体をしっかりとタオルドライし、ドライヤーの時間をできるだけ短縮します。
遠くから優しく:ドライヤーは猫様から遠ざけ、低温で優しく風を当てます。嫌がる場合は途中で切り上げ、自然乾燥させてあげましょう。

乾かす方法としては、音を立てずに乾かせるドライルームのような物もあるので、それも検討しても良いですね。また我が家のような短毛種であれば、無理にお風呂にいれなくてもシャンプーシートで十分きれいな状態を保てます。

まとめ

猫様が水を嫌がるのは、彼らの習性に関係してましたね。水は本能的に嫌いなものなので、お風呂は、ストレスになる可能性が大です。無理やりには絶対にしないであげてくださいね。今回ご紹介した安全な対処法を試して、それでも難しそうなら、プロにお願いするのも良いかもです。

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