イエネコが防除推進外来種に追加?飼い猫やTNRはどうなるのか整理してみた

ねこニュース

「イエネコが防除推進外来種に追加される」

そんなニュースを見て驚いた方も多いのではないでしょうか。猫好きとしては、なかなか穏やかではない話です。私も最初に見た時は、

「え?飼い猫も対象になるの?」

「TNRはどうなるの?」

と気になりました。特にSNSでは見出しだけが一人歩きしやすいため、「猫が駆除される」「飼い猫も危ない」といった反応も見かけました。しかし実際の内容を見ると、話はそこまで単純ではありません。

今回はイエネコの防除推進外来種追加とは何なのか、飼い猫への影響やTNRとの関係について整理してみたいと思います。

防除推進外来種とは?

まず勘違いしやすいのが、「防除推進外来種」と「特定外来生物」は別物だということです。

特定外来生物は法律に基づいて飼育や移動などが厳しく規制されます。一方、防除推進外来種は生態系への影響が懸念されるため、適切な管理や対策を進めていこうという位置付けです。

つまり、今回の話は「イエネコを法律で禁止する」というものではありません。ここを混同すると話が大きく変わってしまいます。

なぜイエネコが対象になるのか

猫好きからすると少し複雑ですが、生物学的に見るとイエネコは日本の在来種ではありません。もともとは海外から持ち込まれた動物です。そのため分類上は外来種にあたります。ただし、これまで多くの人は猫を外来種として意識してこなかったでしょう。犬や猫は私たちの生活に溶け込んでいますし、家族として暮らしている方も少なくありません。

ではなぜ今になって見直しが進んでいるのでしょうか。理由の一つが野生動物への影響です。猫は優秀なハンターです。野鳥や小型哺乳類、爬虫類などを捕食します。特に希少な生き物が暮らす離島では以前から問題視されてきました。

もちろん猫が悪いわけではありません。

猫は本能のまま行動しているだけです。問題なのは、人が持ち込み、人が増やし、人が管理しきれなくなった結果として影響が広がっていることです。

飼い猫はどうなるの?

おそらく一番気になっている方が多い部分だと思います。現時点で報じられている内容を見る限り、適切に飼育されている飼い猫が防除対象になるわけではありません。完全室内飼育の猫まで問題視される話ではないのです。そのため、「今まで通り責任を持って飼育する」という基本的な部分は変わりません。

むしろ今後さらに求められそうなのは、

・室内飼育
・不妊去勢
・遺棄防止
・迷子対策

といった飼い主としての責任でしょう。猫好きの方からすると、どれも特別なことではありません。当たり前にやっていることばかりです。

外飼いへの視線は厳しくなるかもしれない

今回の見直しで影響を受ける可能性があるのは、むしろ外飼いかもしれません。昔は自由に外へ出入りする猫も珍しくありませんでした。しかし現在は交通事故や感染症、近隣トラブルなどの問題もあり、室内飼育が推奨されています。そこに加えて生態系への影響という視点も強くなれば、外飼いに対する風当たりは今後さらに強くなる可能性があります。猫にとって自由そうに見える外の世界ですが、実際には危険も少なくありません。そう考えると、今回の議論は単なる外来種問題ではなく、猫の飼い方そのものを考えるきっかけになるのかもしれません。

TNRはどうなるのか

もう一つ気になるのがTNRです。TNRとは、

Trap(捕獲)
Neuter(不妊去勢)
Return(元の場所へ戻す)

の頭文字を取った活動です。地域猫活動でも広く行われています。野良猫をこれ以上増やさないためには有効な方法として知られています。では、イエネコが防除推進外来種になったらTNRは否定されるのでしょうか。現時点ではそのような話は出ていません。

ただし、生態系保全という観点から見ると議論が続く可能性はあります。なぜなら、不妊去勢をした猫でも狩りをすることはあるからです。繁殖は止められても捕食は続きます。そのため、「増やさないこと」と「生態系への影響を減らすこと」は別の問題として考える必要があります。今後は地域や環境によって対応が分かれていくかもしれません。特に希少種が生息する地域では、これまで以上に慎重な判断が求められる可能性があります。

問われているのは猫ではなく人間

今回のニュースを見ていて感じたのは、結局のところ問われているのは猫ではなく人間だということです。猫は自分で日本に来たわけではありません。野良猫になることを選んだわけでもありません。

捨てたのも人間。
増やしたのも人間。
管理できなくなったのも人間です。

だから今回の話を「猫が悪者にされた」と受け取るのは少し違う気がします。むしろ、これまで曖昧だった人間側の責任が改めて問われていると考えた方が自然でしょう。猫が好きだからこそ、生態系への影響を無視して良いわけではありません。一方で、生態系を守るために猫だけを悪者にして良いわけでもありません。

その両方を考えなければならない難しい問題だと感じます。

まとめ

イエネコの防除推進外来種追加は、飼い猫を排除するための制度ではありません。現時点では適切に飼育されている飼い猫が防除対象になるわけでもなく、TNR活動が直ちに否定されるわけでもありません。ただし、猫による生態系への影響が改めて注目されているのは事実です。今回のニュースは、猫そのものではなく、人間の責任について考えるきっかけとして受け止めるのが良さそうです。

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