猫と触れ合いながらお茶を楽しめる猫カフェ。日本でもすっかりおなじみになり、最近では保護猫と新しい飼い主をつなぐ「保護猫カフェ」も増えています。
そんな猫カフェについて、イギリスBBCで気になるニュースを見つけました。
イギリスで3年間営業してきた猫カフェが、経営上の理由から猫カフェとしての営業を終了。しかし、お店そのものは閉店せず、「猫のいないカフェ」として営業を続けるというのです。
▶ BBC「Costs force cat cafe to lose felines to stay open」
今回は、イギリスの猫カフェで何が起きたのか、日本の猫カフェ事情とあわせて紹介します。
3年間続いた猫カフェが「猫なし」に
BBCが報じたのは、イギリス・サフォーク州サドベリーにある猫カフェ「Finnegan’s Whiskers」です。オーナーのShelley Smithさんが3年前にオープンし、お客さんはコーヒーを飲みながら猫たちと触れ合うことができました。しかし、この1年ほどは客足が伸びず、週末は比較的お客さんが来るものの、平日は静かな状態が続いていたそうです。さらに一等地にあるため固定費も大きく、通常の店舗運営費に加えて猫を飼養するための費用もかかります。
Smithさんは「十分なお客さんが来ず、経済的に成り立たない」として、猫カフェとしての営業を終了することを決めました。
ただし、カフェ自体は閉店しません。
改装後は「Shelley’s」という通常のカフェとして再オープンし、フードやドリンクのメニューを充実させて営業を続ける予定です。
6匹の猫はスタッフや常連客の家族に
現在カフェで暮らしている6匹の猫は、スタッフやボランティア、常連客などの家庭へ迎えられることが決まりました。Smithさんは、猫たちのこれからを「cat cafe retirement era(猫カフェ引退時代)」と表現しています。この店は3年間で約80匹の猫を新しい家庭へつないできました。猫カフェとしての営業は終了しますが、今後も猫の譲渡イベントなどは開催する予定で、猫との関わりそのものをやめるわけではないようです。
日本の猫カフェ事情は?
日本では、猫カフェがどのくらいあるのでしょうか。現在の正確な店舗数を示す新しい公的統計は見当たりませんが、環境省の資料によると、2005年には全国で3店舗だった猫カフェが、2015年末には約300店舗まで増加。そのうち約80店舗が、保護猫を扱いながら里親を募集するタイプの店舗でした。現在の民間データベースには全国400店舗以上の猫カフェが掲載されており、そのうち里親募集を行う店舗も多くあります。
ただ、保護猫カフェについて調べてみると、カフェの利用料だけで運営しているところばかりではありません。私がこれまで調べたり実際に見たりしてきた保護猫施設でも、ボランティアがお世話や清掃を担ったり、フードや猫砂などの支援物資を募ったり、寄付によって医療費などを支えたりしているところが多くありました。寄付やボランティアも保護猫を支えるひとつの方法ですが、裏を返せば、猫を飼養しながらカフェの売上だけで運営を続けることの難しさも見えてきます。
猫がいなければ、カフェは続けられる
今回のBBCの記事で特に気になったのは、店そのものが経営できなくなったわけではないことです。
猫カフェとしては続けられない。でも、猫のいないカフェなら続けられる。
通常のカフェ経営に加えて、猫がいればフードや猫砂、医療費、日々のお世話などが必要になります。「いつか猫カフェをやってみたい」「保護猫カフェなら猫を助けながら仕事にできそう」と考える人もいるかもしれません。でも、猫を適切に飼養しながら、ビジネスとしても成立させることは、本当にそんなに簡単なのでしょうか。さらに、お客さんと猫との「触れ合い」をサービスにする猫カフェでは、売上を作ることと猫にとって快適な環境を守ることをどう両立するのか、という問題もあります。このあたりは、別の記事で改めて考えてみたいと思います。
まとめ
イギリスで3年間営業してきた猫カフェ「Finnegan’s Whiskers」が、経営上の理由から猫カフェとしての営業を終了し、「猫のいないカフェ」として営業を続けます。日本でも猫カフェや保護猫カフェはありますが、寄付や支援物資、ボランティアによって支えられている施設も少なくありません。
猫が好きだから猫カフェをやる。
一見楽しそうに見える猫カフェですが、猫の暮らしを守りながら事業として続けていくのは、想像するほど簡単ではないのかもしれませんね。今回のニュースをきっかけに、「猫カフェというビジネスと猫ファーストは両立できるのか?」ということも気になりました。このテーマについては、改めて別の記事で考えてみたいと思います。

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