犬の散歩中に見つけた2枚の猫の絵が、後に約300万円で落札される――。
そんな出来事がイギリスで話題になっています。BBCニュース記事
絵を発見したのは、ウェールズ西部のペンブルックシャーに住む夫婦です。夫婦は犬の散歩中、廃棄物を入れる大型コンテナの中に捨てられていた2枚の絵を見つけました。

BBCのニュース記事より
どちらも猫が描かれた作品でした。猫好きの義理の娘が喜びそうだと思い、その絵を持ち帰ったそうです。当時は価値のある作品だとは思っておらず、単純に猫の絵として気に入ったからでした。絵は義理の娘の自宅に飾られた後、夫婦の元へ戻り、そのまま何年もの間、自宅の壁に掛けられていました。しかし後になって作者を調べたことで、思わぬ事実が判明します。
その絵は、イギリスを代表する猫画家の一人、ルイス・ウェインの作品だったのです。
オークションで約300万円に
作品はオークション会社へ持ち込まれました。その結果、2枚の絵は合計16,000ポンドで落札されました。日本円では約300万円に相当します。ゴミ捨て場で見つけた猫の絵が数年後に高額で取引されることになったのですから、夫婦にとっても予想外の出来事だったでしょう。
ルイス・ウェインとはどんな画家なのか
ルイス・ウェインは1860年にロンドンで生まれました。西ロンドン美術学校で学び、その後は教師としても働いています。やがて新聞や雑誌でイラストレーターとして活動するようになり、多くの作品を発表しました。その中でも特に有名なのが猫の絵です。ルイス・ウェインの作品に登場する猫たちは、単なる動物として描かれているわけではありません。人間のような表情を見せ、人間のような生活を送っています。
カードゲームをする猫。
お茶を楽しむ猫。
楽器を演奏する猫。
社交の場で会話を楽しむ猫。
そんなユーモラスな作品は当時の人々の心をつかみ、大きな人気を集めました。現在でも「猫の画家」と言えばルイス・ウェインの名前が挙がるほどです。
猫のイメージを変えた人物
ルイス・ウェインは、単に猫の絵を描いて人気になっただけの画家ではありません。彼の作品は、猫に対する人々の見方にも影響を与えたと言われています。19世紀のイギリスでは、猫は現在ほど「家族の一員」という存在ではありませんでした。もちろんペットとして飼われていましたが、ネズミを捕る役割を期待されることも多かった時代です。
そんな中でルイス・ウェインは、猫を親しみやすく愛らしい存在として描き続けました。その作品は雑誌やポストカードなどを通じて広まり、多くの人に親しまれます。猫好きの方なら、ルイス・ウェインの絵を見て「どこかで見たことがある」と感じるかもしれません。それほど彼の作品は猫文化の中に浸透しています。
生前は決して恵まれていたわけではなかった
現在では高く評価されているルイス・ウェインですが、生前は苦労の多い人生を送っています。作品は人気を集めたものの、金銭的には余裕がある生活ではありませんでした。作品を安い価格で手放さなければならないことも多かったとされています。さらに晩年には精神疾患を患い、1924年には病院へ入院しました。その後はロンドンのベスレム病院へ移されます。それでも創作活動をやめることはありませんでした。
病院でも猫の絵を描き続け、1939年に亡くなるまで作品を生み出し続けたのです。現在ではイギリスを代表する画家の一人として再評価され、その作品は世界中のコレクターや猫好きに愛されています。
映画で知るルイス・ウェインの人生
今回のニュースで初めてルイス・ウェインの名前を知った方もいるかもしれません。
そんな方には、2021年公開の映画『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』もおすすめです。猫おばさんもこれ、映画館で観ましたよ。主演のベネディクト・カンバーバッチがルイス・ウェインを演じており、猫を描き続けた画家の人生や苦悩、そして創作への情熱が描かれています。
今回のニュースをきっかけに作品に興味を持った方は、絵だけでなく映画から彼の人生に触れてみるのも面白いかもしれません。
まとめ
今回のニュースは、ゴミ捨て場で見つけた2枚の猫の絵が、有名画家ルイス・ウェインの作品だったという意外な発見が話題となりました。価値を知って持ち帰ったわけではなく、猫好きの義理の娘へのプレゼントとして選んだ絵だったという点も印象的です。個人的に一番気になったのは、約300万円で落札されたことよりも、夫婦がゴミ捨て場で見つけた猫の絵を義理の娘へのプレゼントにしようと思ったことでした。でも、絵を見たら確かにかわいい絵だし、高そうにも見えるから、プレゼントにするかもですよね(笑)
結果的にその絵はルイス・ウェインの作品だったわけですが、有名画家の作品を巡る話というよりも、発見から価値が判明するまでの経緯の方が印象に残るニュースでした。
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